観心の章 |第9回「本当の宝物」 by Ryue

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 お釈迦さまは「化城宝所(けじょうほうしょ)の譬(たと)え」を説かれました。

「けわしい困難な道が続く遙か遠い彼方に、非常に価値のある宝物のある場所があった。この道程の困難な様子をよく知っている聡明(そうめい)な一人の智恵者を導師(リーダー)に、人々は集団で宝物を探しに行く。しかし道があまりに険(けわ)しいため、人々は途中で疲れはててしまい『引き返したい』と導師に訴えた。そこで導師は人々を励ますため、神通力によって立派な城を出現させたのだ。

 人々は大変喜び、城に入って安らかな気持ちとなる。しかしこの様子を見て、導師はこの城を消滅させ、人々に『ここは化城(幻の城)です。宝物がある場所はすぐ近くです。さあ皆さん。立ち上がって真実に心のやすらぐ宝所に向かい、歩み進めることが肝要(かんよう)なのです』と告げるのだ」

 現代風にいうと「幻の城」とは、高速道路のサービス・エリアのようなものです。運転する者には欠かせない施設ですが、一時的な休息場所にすぎず、疲れがとれれば早々に出発して、最終目的地に向かうためのものです。

 また、この導師とはお釈迦さまです。我々の心の弱さをを知っておられるから、方便(ほうべん=導くための手段)として声聞(しょうもん=お釈迦さまの説法によって悟りを得ようとする者)・縁覚(えんがく=自然現象の縁によって悟りを得ようとする者)の至った境地を幻の城に譬え、生死や煩悩(ぼんのう)の悪道が険しく長い道のりであっても、仏と同じ境地になれるただ一つの宝所、すなわち一仏乗(いちぶつじょう)に歩み進めることができるように導くのです。

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