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 新年おめでとうございます。

 年がかわることを「あらたまる」(つまり新しくなる)と言うが、英文法用語を使えば、これの他動詞が「あらためる」(新しくする)という言葉。今回はこのことについて考えてみようと思う。

 物事を改めるのは難しいことである。「人間は本来保守的にできているのではないか」と思えるほどに難しい。試みに、生活習慣のごく些細(ささい)ないくつかを変える、という場合を想像してみても、過去の経験に照らせばその困難さはすぐにわかる。まして、いわゆる“持って生まれた性格”ということになると、不可能に近い。

 個人の問題でさえこのように難しいのに、組織や社会になると複雑な事情が絡(から)みあうことになり、なかなかに改革は進まない。これは一つには、我々凡夫の時間が一方向に流れており、行動の規準は多く記憶に頼ることになり、当然未来よりも過去が規準になる場合が多いからだと考えられる。組織において前例が重視されるのも、この表われであろう。

 ところが一方で、我々の記憶が我々の未来を作り出している、という側面があることも見逃してはならない。このことは、子供の成長を見ているとよくわかることで、言葉を使い始めて少したったころでも、「あした、おもちゃを買ってもらった」などと過去と未来との区別ができないでいる。

 過去というものがほとんど無い彼らにとっては、まだ未来というものはないか、極く短いものであり、英語の勉強を始めたばかりの中学生が“イェスタデー”と“トゥモロー”とを取り違えるのとはわけが違う。「もういくつ寝るとお正月」という童謡は、子供達に未来を教え、その時間軸を長くしてやるための、かなり優れた教育法であるようだ。

 さて、凡夫にはいかんともしがたい時間の流れ方という制約とは別に、「改変」ないし「改革」を難しくしているものが、もう一つ考えられる。それは、一つの物事にも裏表があることである。長所・短所と言いかえた方が、より正確かも知れない。ある短所を無くすためにとられた新しい方法にも短所がある、また長所が即短所でもあるというのは常のことである。そこで、経験の長い人ほど、過去に改革の短所を見たり、失敗したりの回数が多く、新しい方法についても短所を見つけるのが上手である、ということになるのであろう。

 ただし、その短所が直後に現われるか、ある期間を置いて現われるかの違いはある。その期間が長い方が、より秀れた「改良」ということになるのだろう。

 ところで「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉がある。「あらゆる物事は変化する」という仏教の基本的な考え方の一つで、強いて分けて考えるとすれば「実践徳目(じっせんとくもく)」というより「認識論」だろう。

 だが、釈尊は法華経において、このように物事をある分類の一つに当てはめて、あるいはより正確に「押込めて事足れり」とする態度をお許しになってはいない。つまり「あらゆる物事は変化する?確かにその通り」で済ませてはいけないと教えておられる。釈尊の御教えの根幹は、我々が住む娑婆世界(しゃばせかい)を浄土にせよ、とのことであるから、我々はこの点に「諸行無常」の実践徳目としての側面を受け取り、積極的に行動せねばならない。

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