UFO通信 |偏差値も冷静に見てみると…… by Ufo

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 話を元に戻して、二つ目は、偏差値というのは、統計の問題であるから、サンプルが少ない間は不正確であるが、多くなればなるほど確度は増してくるから、全国、という様な広い範囲にまで進めると、一つ目の問題ともからめて、かなり正確であると考えられる。

 この企業コンサルタントの言葉は、拙僧も極端だとは思うのだが、積極的に反論するだけの材料も持ち合わせていない。

 京大を卒業したのだが、入社一年経つかどうかで、ノイローゼで退社した若者の話も、同じ彼氏の口から聞かされた。

 幼少の頃から家族が一致協力して、勉学に集中できるようにと、静かな環境を作ってやったのが、かえってアダとなり、会社の騒がしいところで仕事ができなかったのだそうであるが、これなど、経営者にして見れば、玉を求めて石をつかんでしまった例であろう。

 学歴にこだわることに対する誡めとして、これ程極端ではないにしろ、良く似た例が採りあげられるが、これも誡めとしてはあまり効果のあるものではない。

 何故なら、総体としての問題と、個の問題を混淆(こんこう)しているからであって、ある年度の就職希望者を全て雇い入れ、一定年数使って見た後に理想に近い者だけを残し、他は解雇する、などと極端なことはさて置き、似たようなことでさえ現実には出来ない相談である以上、玉を求めるとすれば玉の多いところから、というのは自然の成り行きというものであろう。

 たまたま玉だと思って採用した者が石だったからといって、次には石の多いところから玉を捜すであろうか。もしそうしたなら、あつものに懲(こ)りてなますを吹くことになりかねない。結局、玉を求めて玉だった、石を求めて石だった例が多かった、というのが実情だったのであろう。

 これはまた別の問題になるが、実力が同等の者が二人いるとして、どちらか一方を役職につける場合、当然のことながら人情としても、上司は自分の後輩を引き上げるだろう。実力が同じなら後輩を引き上げてはならない、などということはない。実力判定に際し、自分の後輩をひいき目で見ることはないのか、という疑問が残るが、「そんなことをしていては企業がもたない、そんな甘いものではない」そうである。

 また別に、出身校に於いて作り上げた友人や先輩後輩関係というのも、採用する側にとっては、いちいちどんな場所(企業や役所)に友人がいて先輩がいるか等まで調査することはないだろうが、重要な計算要素の一つであろう。

 そんなこんなで、学歴社会(もちろん、この社会が学歴や出身校の如何だけで形成されているのではないが)が出来上ってきたのであり、偏差値社会と名が換わってもそう簡単に崩れるものではなさそうである。

 とは言え、このままで良いのかと聞かれると、子供達がファミコン以外にほとんど遊びを知らず、塾に追いやられている現状や、いい年をしていながら漫画しか読めない人達が増えている現状を見るにつけ、拙僧もこれで良いとは答えられない。

 与えられた紙数も尽きたので、拙僧なりの解決策(と言える程立派なものではないが)は、又いつか書かせていただくことにする.次回に、とお約束できないところが、拙僧の情けないところであります。御容赦の程を!

H3.6/25初出〉

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