UFO通信 |キャッチアンドリリース(3) by Ufo

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 ポーランドがEUに加盟したのは2004年、先の記事は2007年である。EUといえば、ヨーロッパ諸国を経済的に統合自由化することを目的として設立されたものであり、労働力市場の自由化も含まれているはずだ。オランダに移住したポーランド人は、賃金の低い労働力として雇われたのであり、むしろオランダ人が自分達の都合で積極的に招き入れたものではないのだろうか。オランダの企業は、ポーランド人に対して求人活動を一切していないのだろうか。ポーランド人求職者をすべて断ってきたのだろうか。

 オランダにやってきたポーランド人たちは、概して貧しい。当然だろう。故国で裕福に暮らせるのなら、好きこのんで出稼ぎには来ない。オランダ人たちよりは賃金が低く、故国に残した家族へ仕送りもしなければならないのだから、オランダで暮らすには節約もせねばならない。オランダ人たちが食べない魚を食べることもあるだろう。ましてや、特に保存されるべき程でもない魚とあれば、食べて当たり前だろう。自分たちより低い賃金で雇っておいて「自分たちと同じ暮らしをせよ」というのは、ちょっといただけない言い分だ。

 このように、「誰もが納得できるわけでもない些細な習慣や文化の違いを取り上げて他人を非難する」のを時々耳にする。また、都会に住む者が地方に住む人を「田舎者」とあざ笑うなど、非難しているわけではないのだろうが、自分達が基準という考え方がのぞき見える。

 この極端な例が、いわゆる有色人種に対する差別問題であろう。アメリカ合衆国の黒人差別で、この差別は頂点に達する。ジョージ・ワシントンなど、自由・平等を唱えていながら黒人を奴隷として使っていたという。

 前のニュースのオランダフィッシング協会に限らず、我々もわずかな違いをあげつらい、知らずに同じことをしているように思われる。そもそもこの文章にしても、オランダフィッシング協会やオランダ人を、まったく非難しているつもりはないのだが、そのように受け取られかねないところがある。心せねばならない。

〈H20.8/1初出〉

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