UFO通信 |キャッチアンドリリース(2) by Ufo

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 最近ではバスフィッシングでも、もどりが無い釣針を使ってできる限り魚に優しくする方法を奨めているようだが、まだ普及には程遠いようで、掛かった魚を逃がすまいという姿勢を強く感じる。「リリース」を言うなら、なるべく魚に傷をつけない工夫があって良さそうだが、なかなかそうはならないところにも文化の違いがよく現れているように思われる。

 へら鮒つりが広まったのは関西では大正末期、関東では昭和初期ということだから、戦前には対象魚に対する気遣いはまだ残っていたし、現在もへら鮒つりに関してはそのままと思われる。とにかく、へら鮒つりをする人たちには、「もどり」付きの釣針を使う人は一人もいないのだ。そのような気遣いをすることなく、己の身勝手だけを優先するらしいバスフィッシャーたちが、上のことに気が付くのはいつになるのだろう。

 さて、初めの記事に戻って、ここからは問題を二つ見てとれる。一つは、オランダ人たちが、どうやら自分たちの「キャッチアンドリリース」がより優れた文化だと思っているらしいことが挙げられる。二つ目は、ポーランド人たちに対する、あえて言うが傲慢さである。

 一つ目のキャッチアンドリリースについては、上に述べたようにあまり褒められるようなものではなく、自然保護やスポーツに名を借りた「野蛮」というものだろう。自然保護を言うなら、食べるための釣り以外は一切止めることだ。

 二つ目の問題を考えてみよう。記事をよく読むと、オランダ人も川や湖で釣った魚をまったく食べないのではなく、単にポーランド人との間で食べる魚の種類が違うだけだと分かる。

 これは文化の違いだと言えるし、あるいは経済的理由も考えられる。かつてはアジアとの交易路に当たり潤っていた東欧諸国も、海路の発達とともにその地位を失い、特に二十世紀に社会主義体制を採ったため一層経済的に遅れをとり、西欧諸国との格差は大きなものとなった。また、古代からギリシャ・ローマに近く、アジアの文明を受ける入り口でもあったので、西欧に対して文化的にも優位に立っていたのが、現代ではむしろ低いとみなされるようになってしまったのだろう。

 上の記事からはそうしたポーランド人たちの事情が読み取れる。(つづく)

〈H20.7/17初出〉

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