UFO通信 |キャッチアンドリリース(1) by Ufo

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 滋賀県がキャッチアンドリリースを無くそうと条例を作ったところ、さっそく訴訟した人がいる。彼の言い分は「漁をしているのではなくブラックバスとの知恵比べを楽しんでいるだけであり、釣り上げたバスは再放流し自然保護に努めている」と、概ねこんなところだが、呆れ返るばかりである。また、すでにバスフィッシングで生計を立てている人たちからの反対の声もある。

 我々人類が、他の生物の生命を奪わずには生きていけないようにできている以上、生きるために止むを得ず捕獲するのは、ある意味致し方のないことである。従って、自然の回復力の範囲内で利用するのが適当というものだ。他の生物に感謝し、必要以上に獲り過ぎないように、いつも自然の回復力の範囲内におさまるように規制するきっかけとなるのが「放生会(ほうじょうえ)」等の儀式であろう。これとて「わざわざ捕獲し苦しめておいて放ち、それで罪滅ぼし」という理屈に合わぬことをしているに過ぎないのだが……。

 ま、それでも己の楽しみのために百万年単位で出来上がってきた生態系を破壊し、他人の生活を脅かすことに比べれば、天地の開きがあろうというものだ。

 話を元に戻して、キャッチアンドリリースが胡散臭い理由を少し。愛好家たちの言によれば、ブラックバスの口辺には痛覚が無いそうである。だから危害を加えていることにはならないのだそうだ。さて痛覚が無いことが事実だとしても、かなり強く拘束されることには違いがなく、逃げようともがくことで口辺に大きな傷を負うだろうし、リリースされたとしても、それが原因で生き長らえることができないものもいるだろう。餌を摂るのに支障がないとは考えられない。

 さらには、空中に釣り上げられたら、こんなに苦しいことはなかろうと想像される。髪をつかまれ、顔面を水に押し付けられることを想像してみるがよい。何が自然保護だ、単なる虐待に過ぎないではないか。

 アイルランド出身の劇作家、ジョージ・バーナード・ショーがかつてこんなことを言った。

「人が虎を殺すのをスポーツと言い、虎が人を殺すのは凶悪と言う」

 動物相手のスポーツなんて大方こんなところなのだ。(つづく)

〈H20.7/4初出〉

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