UFO通信 |UFOが飛ぶ(3) by Ufo

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 ノストラダムスの詩集を予言書としての解説する者達が、一様に結論として書いているのが近未来の予測である。これがキリスト教の「終末論」に影響された、宇宙や地球あるいは人類の滅亡であり、それらの手本となったのは言うまでもなく新約聖書の「ヨハネによる黙示録」である。

 こうした終末論を前面に押出しているキリスト教圏では、何年何月何日に「人類が滅亡するような天変地異が起る」とか「地球や宇宙が崩壊する」とか予言しては、マインドコントロールされたがっている人達を集めて集団ヒステリー症状を呈(てい)し、中には集団自殺させたりするミニ教祖が時々現われる。米国では「人民寺院」の集団自殺事件が記憶に新しいところである。また隣国の韓国はキリスト教圏とは言えないかもしれないが、キリスト教に深く影響された少年が終末を予言し、それが外れて面目丸つぶれになることがあったし、これより少し前にも、キリスト教系新興宗教の信者と思われる人達の集団自殺事件があった。

 一方、ユダヤ人による世界征服戦略については、キリスト教徒のユダヤ教徒に対する不安感や怨念等がその遠因となっているようで、世界中の地域紛争や社会現象・経済情勢等は、すべていわゆる「プロトコール」(ユダヤのごく限定された指導層に対して配布されたといわれる怪文書。ユダヤ人による世界征服綱領ではないかとの仮説を生み、世界中を騒がせたことがある。『シオン長老の議定書』とも呼ばれる)の戦略に沿った陰謀が原因とされていた。ほんの少し冷静に見るだけで、このプロトコールの荒唐無稽(こうとうむけい)さに気付き、偽書(ぎしょ)であることがわかると思うのだが、けっこう乗ってしまった人がいたようである。

 イエスが処刑され、三日後に蘇生して天に登ったことが神の意志によるのなら、ユダの密告も神の意志に基くはずであろう。だとすれば、ユダヤ人・ユダヤ教徒に対する悪感情もいわれのないことであるはずだが、「汝の敵を愛せよ」という教えに反するにもかかわらず、またナチスの問題を持ち出すまでもなく、キリスト教徒の心の奥底に常にわだかまっているようである。

 ところで、ユダヤ教徒に対する問題が解決すればキリスト教徒達の心が静安になるかといえば、「それは無理」というのが拙僧の素直な気持ちである。プロトコールが世の話題から消え、共産主義者に対する憎悪もその対象を失うと、すぐにイスラム教徒達にその鉾先(ほこさき)を向ける、というような状態ではとても無理であろう。つまり「敵対するものが無いと不安定になる」という傾向を元々持っているので、次々に新しい敵を見つけるか作り出すのである。

 さらに、例として挙げたこれら「ノストラダムスの予言」や「ユダヤ人による世界征服戦略」が、キリスト教社会でしか通じないかと言えばそうではない。確かに結構な数の話題が人の口に登り、それらに関する著作がベストセラーになった頃でも、そのことで真剣に思い悩んだ人がそう多くいたとは思えない。ゲームが戦争や冒険の擬似体験であるのと同じように、一種の圧力抜きになっていたのだろう。しかし、一歩間違えばこうした不安定要素が積もり積って殴り合いもし、戦争を起こしたりするのも人間である。

 こうした社会の不安定要素を映し出す現象の一つが、この頃のUFOブームであると見れば、納得できることも多いような気がする。(つづく)

〈H6.1/1初出〉

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