UFO通信 |偏差値社会改善策(3) by Ufo

想

小坊主のつぶやき

いつそば「観心の章」

いつそば「開目の章」

自在生活ノススメ

UFO通信

のほほん評判記

 エーリッヒ・フロムというアメリカの精神分析医が、自らが治療した例として挙げていた若者の話である。

 父親と兄二人が共に医者で、父も望み、本人も希望して医学部に進んだのだが、どうしたわけか医師になるために必要な科目のうち、最重要のものが合格しない。他の科目は優秀なのに、である。そこでフロムに相談してみた結果、本人もまったく気がついていなかったことなのだが、実は原子物理学者になりたかった、ということが明らかになり、転進し、現在では世界でも有名な学者になっている、というものである。

 この実例について、問題点を二つ挙げてみる。(1)本人も希望して医学部に進んだのに、ということと、(2)フロムの進言によって転部した、ということである。

 (1)について。医師である父親の希望が、本人の進路選択に重要な影響を及ぼし、彼の選択を誤らせた。世間によくあることである。他にも、医師なら直接人助けになるが、原子物理学者であればそうはならない事などが、彼の進路決定に影響したものと思われる。つまり本人の希望といえども、本人の真の希望ではない事があり得る、ということである。

 (2)について言えば、本人の真の希望と、どんな才能があるか、ということを見きわめる力と、この場合本人と特に父親を説得する力のある者が必要である、ということである。

 フロムがいたからよかったものの、そうでなかったらこの若者は、落伍者の烙印(らくいん)を押され零落(れいらく)していたかも知れない。

 昔の日本でなら必ずと言っていい程「根性がないからだ」と言う人がいた。今でもけっこういそうであるが、これなど本人の才能の方向や大きさを詳しく見ることを省いてしまって、とにかく「根性根性」と言う、という価値基準(とも言えないもの)でもって現実に対処しようとする典型であろう。一つ事に邁進するのは確かに立派な事には違いないが、それだけが全てではないことも事実であろう。

 前回に引いた御経文の続きには「(衆生は)自らの本当の姿がわからない」というところがある。見事にこの事情を述べておられる。

 余談めくがもう一つ例を挙げて見る。私事に渡って恐縮だが、学生時代に十数人のグループに属していたのだが、仲間の一人K君は、常々「俺はオッパイの大きな女が好きなんだ」と言っていた。果たして彼が妻に選んだ女性は、胸が立派で当時としては珍しく日本人ばなれしたスタイルの持ち主であった。ところで彼が好みの女性として列挙するタレントや女優の中に、胸がそれ程立派でない女性が二・三混じっていた。が、彼女達全員に共通するところが一つあった。 口である。女優の松尾嘉代、山口果林の口を思い起こしていただきたい。もちろん彼の母親も奥さんも、よく似た口であった。

 ことのついでにもう一つ。これは友人に聞いたことであるが、ある女性が日頃「好みの男性は、頭が良くて、素直で、ガッツのある人よ」と言っていたそうであるが、彼女が賞讃する男性は全て目に特徴があって、彼女の父親の目と同じであったそうな。姿形よりは内容と、自身では思い込んでいたのだが、実のところは顔形で選んでいたのである。(彼女の父親に対する評価は、先の言葉とは正反対と言って良い程のものであったそうである)

クリックで次のページへ

next

page 1 | 2


「UFO通信」バックナンバー

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.