UFO通信 |日本のスポーツなぜ弱い(1) by Ufo

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 幼児期の運動については、近々のうちになんとか、というのは絶望的である。何しろ自宅の近くに遊べる場所を作る、というような儲からないことを、金のことしか頭にない連中がするはずがない。唯一可能性のありそうなのは、近頃のスイミングスクールばやりの延長で、幼児向けの各種スポーツクラブが金儲けの対象になる場合位のものか。

 アマチュアリズムの問題で言えば、ステートアマ(この間アジア大会をテレビで見ていたら「ステートプロ」と言っていた。こちらのほうが実体をよく表わしている?)程、極端なことをする必要はないと思うが、せめてアメリカ並にはなってよいと思う。もっともアメリカ並になっては困る選手の方が多いかもしれない。企業アマの方がよほど居心地が良いかもしれない。

 さて、一番手がつきやすそうでいて実はそうでないのが、トレーニング法の改善かもしれない。先に迷信と言う言葉を使ったが、この裏には様々な問題が絡み合っている。

 例えば十年程前まで、プロ野球選手でさえ、特に投手は夏でも水泳を禁じられるのが普通であった。何故か。肩が冷えてこわすから、というのである。そんなアホな。水泳選手は全身こわれてガタガタかいナ。拙僧が小学生の頃に近所の野球少年の一人が既に同じようなことを言っていたから、少なくとも二十年余り、こういった迷信じみた指導法が続いていたことになる。リトルリーグなんかのコーチの中に、いまだに同じ指導をしている者がいるに違いない。

 野球の話題が出たついでに……。王貞治選手がホームラン王になったについては、荒川コーチのダウンスイング理論なるものが大いに力があったと聞く。ダウンスイングというのは、バットを構えた位置から斜めに振り下ろすことをいう。当たればボール上面で後向きの回転が加わるからボールに上向きの力が加わり飛距離が伸びる、というものである。

 理屈は確かにその通り。だが、これには定量的な裏付けがない。それが証拠に王選手がホームランを打った時のスローモーションを見てると全てアッパースイングであった。練習と本番とまるで違うことをして、なおかつホームラン王になっているのだから真に偉大な選手であった。

 ついでついでにもう一つ迷信を。「練習中、又試合中“水”を飲むな」というもの。「よけい疲れるから」というのであるが、まるっきり根拠なし。

 運動生理学の実験では正反対の結果が出ている。実験中、好きなだけ水を飲ませたグループは、計算上必要とされる量の三分の一しか飲めず、しかも意外なことに必要量だけ飲んだグループの方が、疲れが少なかったのである。もちろん出来るだけ水を飲まなかったグループの疲れが一番ひどかった。これらの実験結果から、あのスポーツドリンクが考案されたのだときいている。

 今、三例挙げてみたが、いずれも冷静な判断に欠けている点で一致している。一つ目と三つ目は、恐らく表向きの理由とは別に、スポーツ関係者のお好きな根性をつける為という裏の理由があってのことだろうが、それにしても上手になる為に、強くなる為には何の役にも立たない。なぜ冷静な判断が出来ないのか、与えられた紙数が尽きたので次号に譲ることにしたいと思う。(つづく)

H2.10/25初出〉

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