UFO通信 |ちょっと怪ッ体(ケッタイ)やな、健康ブーム by Ufo

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 昔、紅茶きのこが大流行したことがあった。年配の方はよく御存知だと思うが、日本全国かなりの家庭に広口ビンに入った紅茶きのこが育てられ、あの薄気味悪い姿を見せていた。新聞・TV・週刊誌等、こぞってとりあげ、医学者までひっぱり出して賛否両論・侃々諤々(かんかんがくがく)の論議が交わされたものだ。曰く「如何なる病も予防する」曰く「腹をこわす」…。

 「一体ナンヤネンこれは」と思っていたらいつの間にかすたれてしまい、「枸杞(くこ)の実健康法」なるものが流行りだした。こちらは古くから漢方にもあり、紅茶きのこほど胡散臭(うさんくさ)いものでなかっただけに反論する者も少なかったように思う。そのせいかどうか、紅茶きのこほどのパワーはなく、爆発的流行というわけにはいかなかったようだ。因に枸杞の方は漢方では現役である。

 その後は、入れかわり立かわり様々な健康食品・健康法が現われては消えている。勿論、中には細々ながら命脈を保っているものもある。

 こうした風潮は何も日本だけのことではないようで、いわゆる先進国には一般であるようだ。殊にアメリカはこうした面でも最先進国の面目躍如(めんもくやくじょ)たるものがあり、個々の現象では各々違いを見せてはいるものの常に世界をリードし続けている。

 又これとは逆に、あれこれ健康に悪いとされるものを数えあげ宣伝する者も跡を絶たない。これもその昔、キスを一回すると寿命が三分間縮まる、などと言い出した奴がいた。どういうことかと言うと、心臓の一分間の平均拍動数に平均寿命を掛け(勿論、分になおして、オー御苦労さま)、一生の心臓の総拍動数を算出し、これを心臓の耐久限度とし、キスをすることによる動悸(どうき)の増加分を、この総数即ち耐久限度数から引算するという考え方である。これは、紅茶きのこブームを切っ掛けに雨後の筍のごとくに現われたエエ加減な健康評論家みたいなのが言い出したことではなく、歴とした医学者が言い出したからか、結構日本でも言いはやされた。これが荒唐無稽(こうとうむけい)であることは誰の目にも明らかなはずであり、皆が遊び感覚でもてはやしたのであれば、どうということはないが、結構マジメに受取った者もいたから始末が悪い、大方は中味を知らず、心臓に負担を掛けるからと思い込んでのことらしい。

 この考え方、つまり人間、或はその身体の一部が一生の間になす動作の回数や分泌物の総量を平均から割出し、それを限界とする考え方は、個々人にとっては何の意味もないのだが、これに迷う人もいるらしく、貝原益軒の養生訓などにも萌芽(ほうが)が見られる。いくらアメリカが自己主張・自己宣伝のお国柄故、まともにある動作が増加させる拍動数の研究だけでは注目されないからと言って、もう少しましな事を言えないのかと思ってしまう。

 ともあれこれらを見て「ちょっとケッタイやな」と思うのは筆者一人ではないようで、M・エンデは健康ブームを評して「ヒステリックだ」と決めつけている。特に昨今の禁煙ブーム、嫌煙権運動については一言も二言も言いたい。先ずタバコ肺癌説であるが、喫煙者と非喫煙者の肺癌(はいがん)になる割合について言うと、両者とも他の統計ならほとんど無視してしまうような数字であり、その間で五倍だ六倍だといってもほとんど意味がない。その上タバコの煙に含まれるどの物質が肺癌(はいがん)をひきおこすのか、或いは競合して原因となるのか明らかでない。

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