のほほん評判記 |怪談・奇談 by Kaijo

想

小坊主のつぶやき

いつそば「観心の章」

いつそば「開目の章」

自在生活ノススメ

UFO通信

のほほん評判記

image 著者/ラフカディオ・ハーン
訳者/田代三千稔
発行/角川文庫
価格/480円(税別)

 法隆寺夢殿の救世観音を世界に紹介したのはフェノロサ。国の特別天然記念物、佐渡の朱鷺(トキ)を新種と確定したのはシーボルト。四百数十年前に「日本史」を著したフロイス。浮世絵を美術品として扱ったのはクリスティーズとサザビーズ。ハーン改め小泉八雲は、日本の怪談を世界に紹介しました。

 その著作の評価が高いのは、民間から集めた怪談の元話を『日本霊異記』『今昔物語』『法華験記』といった史料の中から確定し、叙情を基調に再構成したからに他なりません。ハーンの『怪談』は日本の由緒正しい怪談の原石のようなものです。『牡丹灯籠』『耳なし芳一』『黒髪』『雪女』ここで語られる物語は怪談なのに、恐怖よりも悲しみのほうが多く語られています。

 ちなみに……ハーンはホラー作家ではありません。『知られぬ日本の面影』『心』『仏陀の国の落穂』等、日本の文化・風俗に関する論考も多数あります。 

 この『怪談・奇談』については、読みやすさなら角川版、解説の充実さなら岩波版、講談社版は出典の原文が併記されています。また『影』『骨董』といった本にも別の怪談が収録されていますが、いずれにしても一編一編はとても短いもので、気軽に手にとることができます。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.