のほほん評判記 |7つの習慣 by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/スティーブン・R・コヴィー
発行/キングベアー出版
価格/2,000円

 モーツアルト、ベートーベン、チャイコフスキー……。高名な音楽家は大勢いるが、彼らはみな天才的作曲家であると同時に、偉大な発見者でもあったと言えるのではないか。

 元来この世界は、人が好むと好まざるにかかわらず、もともと無数の種類の音で満ちている。その中には鳥のさえずりや川のせせらぎといった、人の心の琴線(きんせん)に触れる美しいメロディーもやはりたくさんある訳で、天才作曲家たちはそうした無数のメロディーが交錯(こうさく)する音の海から、自らが欲するものを巧みに発見し、独自のフィルターを通して、雨音や風の音、そして太陽の光や人の心さえも、交響曲として紡(つむ)ぎだしていくのだろう。

 彼らの「心の眼」によって発見された音の世界は、我々には想像しがたい世界に違いない。音楽に限らず卓越した能力を持つことは、やはり天才だけの特権なのだろうか。本書は一貫して「原則」というキーワードを用い、人それぞれが持つ本来的な能力を、大いなる原則に基づいて引き出す術を解き明かそうとしている。

「宗教組織を手段としてではなく目的としてみることは、私たちの知恵を奪い、生活のバランスを崩す結果を招く。寺院、神社、教会などは力の源について教えることはあっても、その力の源になることはない」

 名言だと思う。とりわけわが国の仏教事情を見ても、目的と手段をはき違えた信仰が、僧侶・信者を問わず横行しているからだ。私たちは心の眼を養うことに無頓着(むとんちゃく)すぎる。本当に大切な目的を発見するために、あえて身や心を砕(くだ)こうとしない人がどれだけ多いことか。

 成功には原則があった!本書の表紙にはこんなうたい文句が書かれてある。しかし実際の内容は必ずしも、他書に多く見られるようなビジネス指南の枠に留まらない。480ページという厚みに臆(おく)することなく、じっくり読みとってほしい。そしてあなた自身の「ものの見方」を再構築していただきたい。

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