のほほん評判記 「家族」という名の孤独 by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/斎藤学
発行/講談社
価格/1,500円

 各人の趣味や嗜好(しこう)は千差万別(せんさばんべつ)で、読みやすい本というのもまたしかり。しかしその内容が仏教に結びつくものとなると、法華経(ほけきょう)自体が大いなるふところの深さを持っているだけに、選択の幅はジャンルを越えて大きく広がる。となれば、このコーナーでわざわざ本を紹介せずとも、読者の皆さんがおのおので書店へと向かい、自分の好みで選びとった本から法華経のエッセンスを感じとっていただく方が本来はいいんじゃないだろうか、とも思う今日この頃である。

 話は変わるが、酒類や化粧品・電気製品等と違って本には定価というものがあって、いわゆる安売りをしてはならないという「再販制度」が適用されている。ビールや化粧品のディスカウントショップはあっても、本のディスカウントショップが見あたらないのはそのためだ。しかし近頃、公正取引委員会が設置した 「再販問題検討小委員会」というところの出した中間報告書によると、この再販制度は自由経済下の競争を制限してしまうため、見直しが必要だとの見解が示されている。それに対し次のような批判を述べたのが、作家の井上ひさし氏だ。

「言葉を、そして文化を、価格競争だの、流通の効率性だのという、経済だけの物差しで計ってはならない。もう一つ大事なのが、消費者は書物を直接に手にとって中身はもちろん、紙質のよしあし、造本の出来具合まで、気のすむまで点検できるということである。(中略)つまり出版社はその質を競い合い、消費者はその質を気のすむまで点検できるわけだ。だからこそ、そこに本物の競争も生まれるのであって、中間報告書の〈著作物に競争がない〉という行には大いに疑問を持つ」

 なるほど。ともあれ何かの目安になればと思い、今回も一冊ご紹介させていただいた。身近なことから、法華経と実生活との深い関わりについて実感するための底知恵になりますよ、この本は。

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