のほほん評判記 |ネアンデルタールの悩み by Chijo

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のほほん評判記

image 著者/W・オールマン
発行/青山出版社
価格/1,600円

 外国人の書いた本はどうもなじめない、読みづらいのではないか、と思われる方も多いだろう。でもこの本は大丈夫。

 ネアンデルタールとは、今から二十万年から十万年前に存在していた「解剖学的見地から見た現代人」の事である。つまり現代に生きる我々人間と基本的に何ら違いのない体の構造を持った、いわば私たちの遠いご先祖様のことだ。しかし最初にお断りしておくが、本書は人類の歴史や進化の過程をこと細かに網羅(もうら)した本でなどではない。むしろ内容のほとんどが我々現代人についてのことである。というよりも、この地球上で最も未完成かつ奇妙な生物である現代人が、自らの姿に「進化論的心理学」というスポットライトを当てることによって、人間の様々な心の働きを本書は照らし出しているのだ。

 その結果、何が解るのか。自分と他人、男と女、親と子供……。それらの関係に進化が与えた影響がみるみる解明されてくるのである。著者は言う。

「現代社会の新たな困難を乗り切るためには、進化を遂げてきた人間の心を出発点に探らなければならない。世界各地の文化や、伝説の起源を探求すると同時に、『現代人はいったい何者で、どこから来たのか』を解明することにより、自然の中の人間の立場が浮かび上がってくるだろう」

 また著者は精神安定剤や鎮痛剤といった薬を例にとり、「普通」イコール「いつも朗(ほが)らか」といった概念を我々は植え付けられてしまったとも指摘している。

「精神的な浮き沈みは、時には苦渋(くじゅう)に満ちているが、私たちが前進するために極めて重大な役割を演じているのだ」

 地球上に最初の生命が誕生してから、はや四〇億年。昔すぎてピンとこないから、これを一年と考えてみよう。そうするとご先祖様のネアンデルタール人が登場してから現代までの時間すなわち歴史は、たった15〜20分に過ぎない。我々の寿命なんてほんの一瞬。いつまでも悩んでいる時間なんてナイナイ!

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