小坊主のつぶやき |
大阪の能勢(のせ)という、のどかな農村からわきあがったダイオキシン汚染問題。その後、全国のあちこちで安全基準濃度を上回るダイオキシンが検出されている。 ダイオキシンは人類が作り出した非常に毒性の強い物質で、人間に最も多く蓄積(ちくせき)して様々な悪影響を及ぼす。近頃は環境ホルモンなんていう今まで聞いたこともない、また自然界に存在しなかった様々な物質までが、我々の目に見えないところに忍びこんでいる。 一方、私たちの心をむしばんでいる毒に「三毒」というのがる。貪りを求める貧=貧欲(とんよく)の心、怒り憎む瞋=瞋恚(しんに))の心、筋道のわからない愚かな痴=愚痴(ぐち)の心。人間の持つ煩悩(ぼんのう)の中で、特にこの三毒は迷いの根元とされているのだ。 我が子を殺したり、兄弟を傷つけたり、見知らぬ人を殴るという、すぐキレる大人や子供達。ダイオキシンも怖いが、現代社会に潜(ひそ)む心の三毒の方が、もっと恐ろしいのではないだろうか。 |