自在生活ノススメ |自分自身を変えるために by Bunshun

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 ある日、夕方のニュース番組で一冊の本が特集として取り上げられていました。それは、水野敬也著の『夢をかなえるゾウ』という本でした。

 この本を買い求めた大半は若者を中心とした年代で、一七〇万部のベストセラーとなり、読書が苦手な人、活字や長文を読むのが苦手な人にも楽しく読んでもらえると紹介されていました。

 その内容は、インドで有名な「ガネーシャ」という象の姿をした神が関西弁をしゃべり、夢をなくした一人のサラリーマンの人生を成功させるためにいくつかの課題を出し、有名人の生き様を参考にその課題を行い、自分の生き方を変えていこうというものです。

 例としていくつか紹介すると、シアトルマリナーズのイチロー選手は、小学生の頃から「大切な商売道具を粗末に扱うなど考えられない」と、野球の試合が終わり他の選手が帰った後でも、自分のグローブやスパイクなどをきれいに磨いていたそうです。これは野球選手に限らず、どんな職業であっても仕事に対するまっすぐな姿勢として、日々仕事で使う道具や物対して感謝の気持ちを持つ大切さを伝えています。

 また、プロゴルファーのタイガーウッズは仏教徒で、幼少の頃から母親に連れられ良くお寺にお参りする習慣があり、今でも信仰心を絶やすことなく、試合前に集中したい時は必ずお寺にお参りするそうです。これには、お参りだけに限らず、行動を起こそうとする時に「面倒臭いから」とか「意味が無いから」と止めてしまうのではなく、一見無意味に思いがちなことにも前向きな姿勢で取り組む必要があると伝えているのです。

 この本が一七〇万部も売れた理由は、若者の多くがこの本に出てくる夢をなくしたサラリーマンと自分とを重ね合わせ「彼のように変わりたい!今のままではダメだ!」と思っているからではないでしょうか。

 今の社会では、夢や希望を無くして無気力になった人たちが増え、変わりたいと思いながらも、変わるための手段が分からず、今の社会が悪いのだと言い訳をして現状を正当化し、行動に移すことを面倒に思い「変われる」ことすらあきらめている感は否めません。

 誰しも自分に非があるとは認めたくはありません。しかしこの現状を打開するには、まず今の自分を認識する必要があります。

 ただし、自分を変えるのは決して簡単ではありません。今まで積んできた様々な経験、それに伴う知識、見聞きしたことが邪魔をするからです。まず他人の話を聞くことから始め、どんな内容であったとしてもいったんは受け入れることのできる、柔軟で素直な心を身につけることが、自分を変えるスタートではないでしょうか。

 そして正邪の判断が正しくできるようになったとき、新たな自分に出会うことができるでしょう。


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