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 今年も大阪市日蓮宗青年会主催のサマーセミナー(子供たちの修養道場)に行きました。私は子供たちの引率の立場で、たくさんの子供達とふれ合うことで、いろいろなことを学ぶことができ、また考えさせられることもありました。

 例えば食事の時は、皆そろって合掌し食法(じきほう)を唱え、「いただきます」と声をそろえてから食べ始めます。中には、合掌はもちろん「いただきます」と言うこともままならない子がいました。

 昨秋、あるラジオ番組の中で、小学校での「いただきます」を巡る話題がとりあげられました。給食の前に生徒全員で「いただきます」と唱和する習慣に、生徒の母親が「給食費をきちんと払っているのだから『いただきます』と言わせるのはおかしい。うちの子にはもう言わせないでほしい」とクレームをつけたそうです。それを受けて学校側は「いただきます」と唱えることを中止しました。

 このことについて、「いただきます」を言うべきか否かと論争が起こりました。多くは「いただきます」を廃止した親や学校側に否定的な意見だったそうですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 以前より「いただきます」と言うことや手を合わせることは、宗教的な行為に当るのではないかと一部で問題になっていました。「頂く」とは、お経の中に出てくる「頂戴」の略語で、頭の上に載せてそのものを敬うことです。

「山川草木 悉皆成仏 一切衆生 悉有仏性(さんせんそうもく・しっかいじょうぶつ・いっさいしゅじょう・しつうぶっしょう)」

 一切のもの(動物・魚・虫・植物等)は仏さまの命を持っており、その命を私たちが口にするのです。その感謝の意は、心の中で行えば口に出していう必要は無いという人もいるでしょう。しかし、口に出して身体で表現することは、とても大切なことだと思います。幼い頃からそのような習慣をつけていれば、自然と感謝の意は具わっていくのではないでしょうか。

 昨今は「食育」という言葉のもと、子供の頃から食べものに対する興味を育て、食の大切さを学ばせています。規則正しい食習慣や食事の栄養のバランスなどを身につけることも大切でしょう。現に子供の運動能力が低下したり、糖尿病・高脂血症など子供の生活習慣病が増加しています。しかし、私は食べ物に対する感謝が土台となるべきだと思います。

 「子は親の影」というように、親の影響も多いように思えます。影が曲がっている場合、影だけ矯正しようとしても無理な話で、元を直さなければ曲がりは直せません。親自らが悪い手本になっていないか先に反省し、子供と共に修養していくという、深く大きな心持ちでなければならないでしょう。

 日蓮聖人は「我身は天よりもふらず、地よりも出でず、父母の身をわけたる身なり」とおっしゃいました。子供の頃より良い種=良い躾(しつけ)を植えたなら、いずれ必ず開花し実ると思います。


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