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 日本人の平均寿命は、八十一・九歳、もちろん世界一の長寿国です。しかも六十五歳以上の人口が全体の五分の一以上だとか。

 また、ある小学生たちに「何歳から老人だと思いますか?」という質問をしたところ、「六十歳から」という答えが半数以上。以前なら老人というと、腰が曲がっていたり、耳が遠かったりと、いわゆる身体的な衰えを指していたように思います。しかし現在の六十歳といえば、現役で社会に参加している人も大勢おられますね。

 フランスの心理学者ピエール・ジャネは「人生のある時期の、一定時間の心理的長さは、その人の暦年齢に反比例する」と説明しています。例えば十歳の時、一年間に感じた時間の長さも、歳をとるごとに短く感じるようになり、六十歳時には二ヶ月しか無いように感じるというのです。

 ところで、皆さんは寿命についてどうお考えでしょうか?日々短く感じられていく残りの人生、どのように命を大切に使って行きますか?命を大切に使うとは、ただ長生きすることでなく「自分らしくどのように命を使うのか」ということではないでしょうか。

 私たちがこの世に生まれ、今日在る自分を実感したならば、与えられた命をどのように育てて行くかを考えねばなりません。寿命は「長さ」より「深さ」が大切です。人生いつ、どこで、何が起るかは解りません。ですから「その日が人生最後の日であるかのように生きること」「毎日を永遠に生きるかのように生きること」。要するに毎日を悔いの無いように、充実した日を過ごすことが大切なのですね。

 時の刻みは、年齢や生活環境によって異なるものです。その中で、人生を充実したものにする要因の一つに「出会い」があります。たとえ何歳になろうとも、新たな出会いが「縁」となり、その人の生き方が決定づけられることもあるでしょう。

 しかし「もう歳だから」などと思っていては、いくら良い出会いがあったとしても、それを活かすことはできません。あらゆる物ごとに眼と心を開いて、出会いの瞬間に気づいて下さい。年老いてからでも、心にグッとくる出会いが巡ってくるかもしれません。

 明治生まれの教育者でジャーナリストの羽仁もと子氏は、次のようなエッセイを残されています。

「幸いの根は、私たちの境遇の中にある、もって生まれた天分の中にある。幸いの花の咲くのは遅いかも知れない。けれどもよく培われる根が枝や花を出さずにしまうことはない」

 寿命とは、各々が自主的に、生き甲斐をもって使える時間でなければなりません。悔いの無い安らかな臨終を迎えることができるか否かは、様々に頂いた恩に対して心から感謝し、その恩に報いるような「生まれ甲斐」のあった人生を歩んだか否かにかかっています。


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