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 コンビニエンスストアの本棚に「ふるさと自慢・オモシロなんでも日本一」という本が、他の文庫本やマンガ本などと共に鎮座(ちんざ)ましましていた。日本一大空に近い道路、日本一のギョウザの町、日本一熱い温泉、日本一星空の美しい町などなど、いろんな日本一が紹介されている。

 ちなみに日本一高い山は、もちろん富士山。では日本一低い山は?答えは大阪にそびえる天保山(てんぽざん)で、標高なんと4メートル50センチ。あまりの低さに、一時期は国土地理院の地形図からも消えていたのだが、6年前に復活し日本一に返り咲いたそうだ。

 その本の前書きにはこうある。

「日本人は日本一が大好きだ。見知らぬ土地で、地元の人がちょっと自慢げに『実は、あれは日本一の……』というのを聞いただけで、なんだかジーンと胸が熱くなってしまう」

 いくらなんでも、ちょっと大袈裟な感じだが、たしかに日本一の大仏さま、日本一のノッポビル、日本一のジェットコースターなど、日本一を売り物にしている場所はいたる所にある。

 しかし、ちょっと考えてみて欲しい。日本一があるということは、当然二番目や三番目があるということだ。そして二番目や三番目があるということは、比較しているということだ。要するに日本人は、比べる事が好きだということになる。

 ところで、山やビルなどは「高さ」といった比較の基(もと)がはっきりしているが、世の中そんなものばかりではない。そんな時、基になるものの一つが「常識」だ。例えば、人を比較する時「あの人には常識がない」などと使ったりする。

 ただ、この常識というのも頼りない。食事の時、私たち日本人はお茶碗(ちゃわん)を持って食べるのが常識だ。しかしお隣の国の韓国では、お茶碗を置いたままで食べる。洋食でも、ナイフとフォークは持つが食器は持たない(コーヒーカップやティーカップは別)。畳の上にかしこまって座るには正座が常識だが、これは茶道が確立した頃からで、それ以前はあぐらが普通だったと聞く。このように常識というものは、その時や場所によって変わるものなのだ。

 この頼りない常識に捕らわれている人は実に多い。逆に、よく「常識を打ち破れ」などという言葉が使われるが、やみくもに人と違う考え方や、ものの見方をしているだけでは、ただの「非常識」な人になってしまう。中国四千年、またはエジプト六千年の歴史の中でも通用し、もちろん日本でもアメリカでも通用すること。つまりいつでもどこでも通用するものの考え方。それを基としたとき、はじめて物事をきちんと比べることができるのではないだろうか。

 単に世間の常識や、自分自身の生み出した固定観念にとらわれることなく、「自らの在りよう」を見つめて行動できる生活、それが「自在生活」なのだ。そして、いつでもどこでも通用するものの考え方、これを私たちは『妙法蓮華経』と呼んでいる。

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