自在生活ノススメ |経済危機とは言うけれど by 大西 宏(コア・コンセプト研究所 所長)

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 ビジネス書では「危機」というタイトルをつけると売れるそうです。特に悲観的な内容でなくとも、編集者がタイトルに「危機」という言葉をつけさせるといいます。週刊誌も、日本が危ないといった過激な記事を書くと売れる。どうやら、危機を煽(あお)られるのが好きな人が多いということでしょう。

 慢心(まんしん)せずに、緊張感を保ち、しっかり歩んで行こうというのなら良いのですが、煽られるままに、ただただヒステリックな危機感や不安感を持つと、冷静な判断を狂わせてしまいます。オウムがハルマゲドンを唱え、多くの若者たちを犯罪に駆り立てた。そんな例もありましたね。

 現代は、産業も、社会のしくみも新旧交代の時代です。大変革の時代です。時代の過渡期は、新旧の流れがせめぎあい、社会は混沌(こんとん)として来ます。だから、先も見えず、思いもかけない事態が起こります。銀行の倒産なんて、常識では考えられなかったことですね。

 問題は、常識が覆(くつがえ)されると、パニックが起こりやすい。そこで出番とばかりにマスコミで評論家や政治家が、恐慌(きょうこう)が来るぞと脅す。すると、みんな不安になって財布の紐をぎゅっと締める。それで余計に経済が回らなくなる。昨今は、そんな悪循環が続いています。

 こんな時には、ちょっと発想や視点を変えてみることをお勧めします。まず、「危機」という言葉ですが、これは危険という意味の「危」と、チャンスという意味の「機」で成り立っています。つまり、大きな変化の時には、リスクとチャンスが同時に生れてくるものだということを教えてくれているのです。不況だとか、金融機関が危ないだとか言われ続けると、どうしても私たちの視点は、「危」の方ばかりに向いてしまい、「機」を見つける気力を失ってしまいかねません。自ら動くことを忘れ、ご時世の評論ばかりしていて、気がつくと時代に取り残されるというのでは、面白くないですね。

 さらに、明暗ということ。同じ現象が、ある人にとっては明となり、違う人にとっては暗となります。円安のおかげで、輸出型の会社は絶好調です。輸入型の会社は苦しい。社用族が減ったことで、銀座や北新地の高級クラブは閑古鳥(かんこどり)が鳴いてますが、安くて雰囲気の良い店は、ポケット・マネーで楽しむお客さんで盛況です。

 ともすれば、暗い情報ばかりが報道され、そこに目が行ってしまいます。経済が横ばいということは、実際は、暗い材料と同じ程度に明るい材料があるということです。景気の悪い会社と景気の好い会社が、同じぐらいでバランスが取れているわけです。このバランス感覚を失うと、目の前に明るい材料があっても見落としてしまいます。

 一日にひとつでも、楽しいこと、面白いこと、景気のよさそうな話を見つける。それだけでも、見方が変わってくるように思います。もっと言えば、こんな時代だから、積極的に動いて、上手に毎日を楽しんで見ませんか。そうすると、きっと違ったものが見えてくるはずです。

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