やさしい法華経物語 |従地涌出品 第十五 (2) by Taisu
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

image 大地の下の虚空界(こくうかい)より雲の湧き出るように現れた、上行(じょうぎょう)・無辺行(むへんぎょう)・浄行(じょうぎょう)・安立行(あんりゅうぎょう)を中心とする、計り知れない数の菩薩(ぼさつ)達。この「地涌(じゆ)の菩薩」の出現に、文殊(もんじゅ)・弥勒(みろく)・普賢(ふげん)・薬王(やくおう)をはじめ、娑婆(しゃば)世界とは別の世界に住む菩薩達は、大いなる戸惑いと疑問を抱いていました。

 その様子を見て取った弥勒菩薩は、自身の疑問をも解き明かすため、お釈迦さまに向かって次のように質問されたのです。

「このような菩薩達の姿を、私たちは今までに見たこともなく、大変不思議でなりません。一体どういう理由があって、どこから来られた方々なのでしょうか」

 弥勒菩薩がこのような質問をされたことを、お釈迦さまは大変おほめになました。そして「いまだかつて誰も聞いたことのない教えを、仏の智恵と神通力をもって聞かせよう。皆も堅固な心と信心をもって、一心に聞くがよい」と前置きされると、驚くべき真実を告げられたのです。

「私は悟りを得て以来、この娑婆世界で彼らをずっと教え導いてきました。いわばこの大勢の菩薩達は、私の子供の様なものです。彼らは大衆の中にあっても、多く語ることを好まず、常に静かな処を望み、常に仏の教えを聞くことを願っていました。そうして数え切れないほど長い年月の間、一心に精進して、無上の智恵を求めている者たちなのです」

 これを聞いた菩薩達は、さらにもう一つの疑問を抱きました。そこで弥勒菩薩は、お釈迦さまにこう申し上げました。

「釈尊は太子の位を捨てて出家し、悟りを開かれてから、まだ四十年しか経っておられません。そのような短い年月の間に、これら無数の菩薩達を、果たして教え導くことが出来得るものでしょうか。それはたとえば、色美しい黒髪の青年が、百歳の老人を指して『彼は私の子供であり、私が教育したのだ』と言うようなもので、大変信じ難いことです」

 そうして皆のために疑問が解き明かされることを、重ねてお願いするのでした。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.