むかしむかし遠い南の国に、世界一りっぱな心を持った人がおられました。その人は『おシャカさま』と呼ばれていて、国じゅうの人たちは、おシャカさまのことを、とっても大切に思っていました。
おシャカさまはいつも、みんなが世界一りっぱな心をもてるようになるにはどうすればいいのかを、やさしく話して聞かせてくれました。そしてたくさんの人たちが、「自分も早くおシャカさまのようなすばらしい心を持ちたい」と思って、そのお話しをしんけんに聞いていたのです。
おシャカさまがお話をする場所は、いつも決まって『グリトラクータ広場』というところでした。けれどもおシャカさまにも、ちゃんとおうちはあったのです。そのおうちは、みんなから『ソーギャホーム』とよばれていました。
ソーギャホームは土でできていて、あまりりっぱではなかったけれど、とっても大きなおうちでした。どうしそんなに大きいおうちに住んでいたのかって?
だってそこには、おシャカさまといっしょに暮らしたほうがもっと早くりっぱな心になれる人たち、そんなたくさんの人たちが、男の人でも女の人でも仲よく暮らしていたからなのです。
そしておシャカさまがお話しする時には、みんなそろってグリトラクータ広場へ出かけていきました。

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