仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

　今から三千年ほど昔の四月八日、カピラ国のシュッドーダナ王のお妃であるマーヤー夫人は、ルンビニー園で不思議な王子をお生みになりました。

　王子はお生まれになるとすぐ東西南北に七歩進み、右手を上に、左手を下に向けて「天上天下（てんじょうてんげ）唯我独尊（ゆいがどくそん）三界皆苦（さんがいかいく）我当安之（がとうあんし）」とおっしゃったのです。

　この言葉は「この世界でただ一人の尊い存在として、苦しみや悩みから逃れられないでいるすべてのものたちを救うため、私はこの世に生まれてきました。これは私の使命であります」という誓いの言葉です。

　これを聞いた天の神々はたいそう喜び、竜王は産湯に甘露の雨を降らせ、天女は空からたくさんの花びらを降らせました。

　王子はゴータマ・シッダールタと名付けられ、後に出家されお釈迦さまと呼ばれるようになりました。そして、このお生まれになった時のご様子から、日本ではお釈迦さまご誕生の日を「花まつり」と呼ぶようになり、誕生仏の像の上から甘茶をそそいで礼拝するようになったのです。