仏さまのこばなし |故郷での説法 by Chijo
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 お釈迦さまが王子としての地位を捨てて出家し、修行の末に悟りを得られてから、どれほどの年月が経った頃でしょうか。噂を聞きつけた父の浄飯王(じょうぼんのう)は、故郷へ帰って説法するよう、竹林精舎におられたお釈迦さまに使者を遣(つか)わしました。

 ところが使者たちは、お釈迦さまのお説法を聞くや否や次々と出家し、修行のために自らの使命を忘れてしまったのです。さらに九回目かに派遣されたお釈迦さまの旧友・ウダーイも出家し、あらゆる執着を離れた境地にまで達しましたが、その後に自分の使命を思い出し、やっとお釈迦さまの里帰りが実現しました。

 ただし父の浄飯王をはじめ釈迦族の人たちは、自尊心が強く傲慢(ごうまん)な性格で、お釈迦さまの姿を見ても決して礼拝しようとはしませんでした。そしてある日、お釈迦さまは父王から食事に招待され、いつものように途中の家々を托鉢(たくはつ)しながら王宮へ向かわれましたが、その姿を見た父王はこう言ったのです。

「食べ物は王宮に十分あるのだから、乞食(こつじき)までしなくても良いではないか。我々の祖先には、乞食をする者など一人もいなかったぞ。そのような真似は、父である私を辱(はずかし)める行為ではないか」

 すると、お釈迦さまは父王にこうお答えになりました。

「王よ、托鉢は我が祖先から代々伝わる立派な法です。そして、我が祖先とは釈迦族のことではなく、過去に現れた様々な仏のことをいうのです」

 こうしてお釈迦さまは種々の説法をされ、父王をはじめ釈迦族の人々も、次第にお釈迦さまを敬うようになりました。そして、親族の中からも出家を志願する者が数多く現れ、みな聖者となり仏法を広めるようになったのです。

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