仏さまのこばなし |欲望の虚しさ by Shouden
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

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 マカダ国の都に、天性の美しさのため町中の男たちから慕われ、彼女と一夜を過ごすためには千金を必要としたシリマーという名の遊女がいました。

 彼女は縁あってお釈迦さまに帰依(きえ)し、仏弟子となって修行僧たちを熱心に供養していました。しかし多くの者たちは彼女の美貌(びぼう)に惑わされ、修行どころではなくなってしまったのです。

 やがてシリマーは、病のため若くして亡くなってしまいました。そしてこの時、お釈迦さまは王にこうお伝えされたのです。

「彼女の遺体は火葬しないでそのまま墓地へ運び、鳥や犬に食われないよう注意するように」

 四日目、遺体は腐って膨(ふく)れ上がり、その中からウジが這(は)い出し始めました。すると王は、町中の人々に墓地へ集まるようにおふれを出し、お釈迦さまにもこのことをお伝えしたのです。

 すぐにお釈迦さまは、彼女に恋した修行僧たちを連れてシリマーの遺体の元に集まりました。そして彼らは、美しく見えるものも無常の理(ことわり)に支配されていることを知り、改めて修行に励んだのです。

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