いつそば「我聞の章」 |第18話「永遠の命」 by Shougyo
話

仏さまのこばなし

いつそば「我聞の章」

やさしい法華経物語

ウッキ〜くん

妙ちゃん

グリトラクータ童話

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 仏さまにも色々なお名前がおありになる。私たちの尊きお師匠さまのお名前はお釈迦さま。その他の仏さまなら、例えば阿弥陀さまや薬師さま……。

 私の名は阿難(あなん)。今もお師匠さまの説かれる、光と風の世界を旅している。

 現代社会では、人間の持つ最も基本的な情報である名前や住所さえも、取り扱いに注意を要する時代になった。しかし、いつの世であっても、仏さまのお名前やご住所を安易に混用してはならない。

 おそらく、大勢の仏さまのご住所の中で最も有名なのは、阿弥陀さまのおられる西方極楽浄土ではないだろうか。薬師さまの場合なら、東方浄瑠璃世界(とうほうじょうるりせかい)がご住所だ。一方、お名前もご住所もあまり知られていないのに有名なのは「奈良の大仏さま」だろう。そのお名前は毘廬舎那仏(びるしゃなぶつ)といい、蓮華蔵世界(れんげぞうせかい)がご住所になる。

 これら世界では、それぞれの仏さまが衆生をお導きになっておられることから、その世界のことを化土(けど)と呼ぶ。「化」とは教化(きょうけ)のことで、仏さまが衆生を導く場所をいう。

 あの時、私たちの尊きお師匠さまが、大地から出現された無数とも思える菩薩方をご自身の弟子だと明かされた時、皆は一様に驚きを隠せなかった。そして、皆がお師匠さまのお言葉を素直に信じ受け入れる用意ができていることをご覧になると、ついにお師匠さまはご自身の真実の姿をお説きになる。それは始めの無い過去から、終わりの無い未来へと続く永遠の命を持ち、すべての仏さまを統一される存在であるということだった!

 空間的には、大勢の仏さまにとって根本の仏さまであり、時間的には、肉体の寿命にとらわれず本より覚られている仏さま。言うなれば「久遠本仏」とお呼びすれば良いだろうか。

 そのご本仏が、本来は時間も空間も超越されている存在でありながら、ある時間と空間を定めて色々な世界に色々な仏さまとしてお出ましになる。西方極楽浄土では阿弥陀さまとして、東方浄瑠璃世界では薬師さまとして……。例えば空に浮かぶ月がご本仏で、池に浮かぶ月がそれぞれのお名前を持つ仏さまだ。

 ご本仏は、私たちの住むこの娑婆世界(しゃばせかい)へお釈迦さまとしてお出ましになり、八十歳という肉体の寿命をまっとうして入滅された。しかし、娑婆世界がご自身の化土である以上、目には見えなくてもご本仏はいつも私たちをお導き下さっている。

 そしてここが化土である以上、娑婆の本当の姿は「浄土」に他ならない。私たちにとって、この世界以外に浄土はありえないのだ。

妙法蓮華経「如来寿量品第十六」より/つづく)

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