lotus column 不思議なこと by Shougyo
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 ノンフィクションライター・奥野修司さんの「魂でもいいから、そばにいて─3・11の霊体験を聞く」を読んだ。津波で亡くなられた方の魂が、遺族の方にその存在を知らせたという不思議な出来事を、体験された人たちから丁寧に聞き取りを行い一冊の本にまとめている。

 奥野氏は、それら証言に普遍性や再現性は無く、科学的でもないと指摘している。その一方で、不思議としか言いようがない出来事でも、当事者にとっては紛れもない事実であることを検証したいという氏の熱意が、文字を追うごとに行間からあふれ出しているように感じた。

 ところで「不思議」とは「不可思議」の略で「思議すべからず」と訓じ、元来は仏教から来た言葉である。国語辞典では「よく考えても原因・理由がわからない、解釈が付かないこと」と説明しているが、仏教では思議(考えを巡らすこと)では理解できない思想や現象を指す。

 科学=実証=事実による証明という考え方を一度横に置いてみないと、本当に大切なものを見失うように思われてならない。

 東日本大震災から間もなく七年。被災地の方々に心で寄り添うために、私たちはどうあるべきだろうか。その指南書ともなる『妙法蓮華経』というお経典には、「不可思議」という言葉が三十三回登場する。

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