昨年、癰(よう)のため二度の手術を受けた。術後、ある信者さんに頂いた「河内粥」が、どんなご馳走よりもおいしかったことを今も想い出す。
ところで、法事でよく読む法華経「提婆達多品」の中に「提婆達多が善知識による」という一節がある。お釈迦さまが悟りを開くことができたのは、悪人と見られている提婆達多のお陰だとおっしゃるのだ。
苦しみは、人間が向上するための因(もと)であると言われる。ああそうだ。苦しみを受けた時こそ、日頃の行いや心の在り方を反省しようと思った。日蓮聖人のお言葉にも「病によりて道心はおこり候」とある。
また「極楽百年の修行は穢土一日の功徳に及ばず」ともある。極楽浄土で百年修行するよりも、この娑婆世界で生きて一日でも修行する方が大切なのだ。
あなたの幸せ、
みんなの幸せ、
それが私の幸せ。
と、仏さまは願っておられる。
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