lotus column 骨を折る by Shumei
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 この春先、家内が膝の骨を折った。

 四男が産まれて九ケ月となり、家にこもりがちで私への鬱積(うっせき)した不満を解消したい?のか、友人から誘いを受けてママさんバレーを始めた。

 そもそもは、社会教化事業協会と青年会が共催する「スポーツ交歓会」に参加し、ソフトバレーボールを通して矯正教育施設の子供達と交流を深めたのがきっかけだった。彼らの社会復帰の一助となれるよう、子供達の体験や心情を聴くと共に、話の中で仏さまの教えに触れてもらう活動が長年続けられている。

 さて、家内の骨折は相当なもので、膝は腫れ上がり、二晩は一睡もできず唸(うな)っていた。母の助けを借りながら、できる範囲の家事を手伝ったものの、気遣いの足りない言動をして反省することが度々で、人として、夫として、僧侶として、まだまだ未熟であることに気付かされた。

 他人の苦しみを代わって受けることを「代受苦」という。仏の慈悲の行いである。日蓮聖人は、人々の受ける苦しみを我が苦と受け止められ、お釈迦様の使いとして地獄の道を塞(ふさ)ぐ救済に身命を捧げられた。その口火を切られた出来事が、時の権力者である鎌倉幕府への『立正安国論』奏進(そうしん)による諫(いさ)めだった。

 それから七百五十年。私達はその慈悲に包まれて生きている。その大きな慈悲を仰ぎながら、無数の縁有る人々に骨を折る一人でありたいと思う。

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