平家物語の冒頭にも登場する祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)。そこは、お釈迦さまをはじめ、千人・二千人というお弟子たちが食事や寝泊まりをすることができる、仏教教団随一の住居だった。
自らの国にもお釈迦さまをお迎えし、大勢の人に法を説いて欲しいと願ったスダッタ長者は、ジェーダ王子の無理難題どおり、王子の所有する土地に全財産をなげうって黄金を敷きつめた。その熱意に感服した王子は土地を提供し、敷かれた黄金も建築費に充てられ祇園精舎は完成した。
尊い法を説くからこそ布施を受けるに値し、法を求める者が集う場所だからこそ寺院の敷地は広い。肝に命じるべきである。
さて、そんな立派な家にも長く留まることなく、お釈迦さまは生涯各地で法を説かれた。そしてどれほどの未来においても、私たちが世界中のどこにいようとも、そばにいて法を説き続けているとおっしゃった。
祇園精舎に限らず、いつでもどこに居ても、私たちはお釈迦さまの家に住んでいる。
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