lotus column お命頂戴 by Chijo
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 仏教ではもともと肉を食べない、と思い込んでいる人も多いだろう。確かにお釈迦さまの定められた「不殺生戒(ふせっしょうかい)」は、自らと同様に他の命を尊ぶことを教え、その対象は人以外の動物や虫にまで及ぶ。

 するとそこからは、獣や魚を哀れみ食べないという自戒が生まれ、宗派や国、食料事情や衛生面の影響もあって慣習化した。現代でもなお、菜食主義を通す僧侶は大勢いる。しかし、お釈迦さまの教えのポイントは、衣・食・住に対して執着してはならないということだった。

 出家者は作物を育てる等の生産活動をしてはならず、修行と説法に専念し、托鉢(たくはつ)によって食べ物を得ていた。それにも細かな決まり事はあったが、種類によって食べないようでは、新たな執着を生んでしまう。お釈迦さまご自身も、供養された食べものなら、肉でも野菜でも召し上がっておられたようだ。

 今でも厳格な戒律を守るミャンマーの僧侶たちも、托鉢の際に肉が鉢の中に入れられた場合は、ちゃんとそれを食べているとか。考えてみれば、動物も植物も同じ生命に変わりはない。何を食べるにしても、私たちは命を頂いて生きているのだ。

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