lotus column 心の壁 by Chijo
what's new

 童話『三匹の子ぶた』は、元になった古いイギリス民話によると、煙突から侵入したオオカミが暖炉の鍋で煮込まれ、三匹の子ぶたに食べられてしまう筋書きだったそうだ。

 オオカミに吹き飛ばされるワラや木の家は東洋の発展途上国を象徴し、三番目のレンガの家は、イギリスの厳しい気候に耐えうるレンガ造りの街を象徴しているという見方もある。または、大英帝国の強固な砦(とりで)こそが、侵略者をせん滅できるという暗示かもしれない。

 一方で、木の柱で屋根を支え、紙を用いた扉で部屋を仕切る住文化を持つ日本。伝統的な木造家屋は、高温多湿の夏対策に力を注いだ建材と構造をもち、扉を自在に取り外すことで風を通し湿気を追い出す仕組みになっている。

 しかし、現代の日本の住環境は西洋の影響を受け、プライバシーの概念までも変化した。部屋と部屋、内と外の境界が明確になり、隣人に調味料を借りたり、時には赤ん坊を預け母乳をもらうような光景もほとんど見られない。

 砦のような家やマンションが建ち並ぶ街。恐れや猜疑心(さいぎしん)という風通しの悪さを象徴するかのようだ。

what's newdiscourseseasontalesideadownloadlinkmyoabout "myo"site mapNOEC

HOME

Since 1999, Nichiren-shu Osaka Enlightenment Center. All teachings are opening up.