苺を食べた。初夏の味覚を一月に食べた。当たり前のように食べた。ちゃんと苺の香りがして、ちゃんと甘かった。そこで考えた。一月に苺を食べる必要があるのだろうかと。

　私は五十歳。子供の頃、一月に苺は食べられなかった。無いのが当たり前だった。以上、苺を食べながら思いつくままに……。

　グルメという言葉が大嫌いなお坊さんがいる。

「お腹一杯食べられることに感謝できれば、グルメなんていう言葉が出てくるはずはない！」

　私にとっては耳が痛い限りだ。信徒の方々に大きな顔をして「感謝」を説きながら、当の本人が感謝の本質を見失っていたような気がする。深く反省させられた。

　国民全体が間違った思想に走る時、自然環境は異常気象や大災害等によって警告を与えると仏陀釈尊はお説きになり、日蓮聖人も『立正安国論』の中でそのことを具（つぶさ）に挙げられている。大至急それらお言葉に耳を傾けなければ、間違いなく取り返しのつかないことになってしまうだろう。