lotus column 異体同心 by Eyu
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 野生動物の生きる弱肉強食の世界、そこには自分の身を守るための様々な生態が見られる。中でも驚いたのはムクドリの生態だ。

 ムクドリにとっての代表的な外敵は鷲。身体の大きさから飛ぶ速度まで、すべてに人間の大人と子供くらいの差があり、一対一の勝負ではひとたまりもない。

 しかし、ムクドリはその鷲から驚くべき方法で身を守っている。何と、数千、数万羽という大きな一つの群れとなって、鷲に向かって飛んでいくのだ。それも一糸乱れぬ陣形をとって……。

 その姿はまさに1羽の巨大な鳥が飛んでいるようにも見える。そうすることで、鷲に的を絞らせないようにするのだ。中には、鷲の真横をすり抜けるムクドリがいるにもかかわらず、その陣形は乱れない。まさに「異体同心(いたいどうしん)」とはこのことである。

 さて、人間はどうだろう。神社の初詣に書かれた絵馬の内容を見る限り、それは「異体異心(いたいいしん)」に見える。ムクドリに例えるなら、それぞれが自由に飛び回り、鷲を見れば我先にと逃げ、他のムクドリが餌になれば、悲しみはするが何もせず、新年の絵馬に「鷲に会いませんように」と書いて一時の安堵(あんど)を覚えるかのようだ。

 私たちの身体(行動)が仏さまの教えのもと「異体同心」となれば、世界をも劇的に変えることが出来ることを、今こそ、世界中の人々に伝えねばならない。

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