毎年十二月といえば、街はクリスマス一色である。恋人達（特に男性）や親御さん達にとって、嬉しい反面余計な出費を強いられるという複雑なイベントだ。お寺に産まれ、仮にも坊主となった私にとっては、幼い頃より縁遠いイベントではあるが……。

　さて、クリスマスとは無関係な我が家では、年末の余剰エネルギーがお正月に回されることになる。もちろん、お寺の年始法要という側面がその大半を占めるのだが、一方では遠近より親戚が集まる恒例行事でもある。

　そして、有り余るエネルギーはあるものにも振り分けられる。子供たちにとって、その一年が左右される重要なアイテム「お年玉」だ。大勢の親戚のおかげで、毎年最強クラスのアイテムを手に入れていた私は、学校で羨望（せんぼう）の眼差しを集めていた。

　お年玉の合計を競う子供の姿には、お金にまつわることであっても、大人の世界とは違う無邪気さがある。何より、親戚が集い新年の訪れを寿（ことほ）ぐという伝統に密着した日本の習わしは大切にしたい。

　クラスでお子さんをヒーローにしてあげるためにも、クリスマスではなくお正月に頑張ってはいかがだろうか？

　メリーくりきんとん！