lotus column 生前中 by Taiko
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「故人生前中は、お世話になり有り難うございました」

 お葬式の席上等で耳にする口上だ。しかし、人が亡くなる前を「生前中」と表現するのはおかしくないだろうか?

 なるほど、広辞苑等をひもとけば、生前とは「人が生存しているとき、死ぬ以前のこと」とある。しかし字のままに解釈すれば、「生まれる前」との意が自然であるように思われる。

 当たり前のことだが、この世に生をうけた赤ちゃんは、生まれた後だから「生後」という。ならば人が死ぬ以前は「死前」と表現するほうが自然であり妥当と思うが、死後という言葉はあっても死前という言葉は見当たらない。

 ところでお釈迦さまは、ご自身の三世(過去世・現在世・未来世)にわたる永遠の寿命を明かされた。肉体はやがて滅びるが、寿命は永遠だと説かれたのである。この永遠の寿命、そして来世を信じるならば、生前中とは「未来世に生まれる前」と解釈できないだろうか。

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