暗い世相が続いている。幼児の虐待・家族同士による殺人・政治家によるお金の流用・食品の賞味期限偽装・台風に地震……。明るく安心できる世の中を願わずにはいられない。
しかし、その願いが通じるのはいつのことだろう?各々が誤った考え方を変えずに、ただ「幸せになれますように」と祈ったところで、その祈りは虚しいものに違いない。なぜなら、原因である「誤った考え方」を改めない限り、憂うべき現状を変えることはできないからだ。
「如(し)かず、かの万祈(ばんき)を修せんよりこの一凶を禁ぜんには」
日蓮聖人は、万祈=あらゆる祈りより、一凶=間違った考え方を改めることが先決であると『立正安国論』で述べられた。
利己主義に拝金主義、厭世主義、恩を忘れ希薄となった人間関係。暗い世相の原因となる思想が社会をおおっている。これらは現代における「信仰」と言えるかもしれない。日蓮聖人は、いま行うべき心の建て直しを「信仰の寸心(すんしん)を改めよ」とご教示下さった。
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