lotus column 柔軟と頑固 by Eyu
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 クリスマスが近づくと、街の夜は美しいネオンで彩られる。しかし、日本ではキリストの誕生祭としてではなく、年に一度の楽しいイベントといった意味が強いようだ。こうした「宗教に対する柔軟さ」は、現代日本人の大きな特徴でもある。

 イタリアの政治思想家・マキャベリの『君主論』に、「人間は誰でも自分のすることについて自負心を持っているもので、それゆえに、自ら欺(あざむ)かれやすい」とある。だからこそ柔軟さは大切なのだが、そのバランスが難しい。

 さて、法華経『如来寿量品』にも「質直にして意(こころ)柔軟(にゅうなん)に、一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜まず」という一文がある。

 意が柔軟なのに、かつ命を惜しまないほどの頑固さとは、矛盾するように思えるかもしれない。しかしこれは、永遠の仏さまの大慈悲を素直に受け入れることで、現世での命に対する執着から生じる苦しみが無くなることを意味する。

 クリスマスのネオンの様な派手さはなくても、お仏壇にひっそりと灯(とも)るロウソクの火が象徴するもの。それがお題目の法燈(ほうとう)であり、法を護り伝えることについては頑固であらねばならない。

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