一歳になるウチの子供が最近歩きだした。おまけに何でも口に入れようとする。「食べられません」と書いてあっても文字が読めない。「こっちは駄目だよ」といっても、言葉が解らないから一体何をしでかすのやら、目が離せない今日この頃である。
とはいっても、子供は日に日に成長していく。最近では大人の真似をして、食事の前後に合掌するようになってきた。
真似をされるようになると、さあ今度は大人が大変だ。良い事は真似て欲しいが、あまり真似て欲しくないこともある。〈末は博士か大臣か〉とまでは言わないが、健康で他人に愛される大人になって欲しいと日々願っている親としては、子供の前でなるべく手本になるような行いをしなければならない。
本来なら子供の前でなくても、良い行いをするのは当然のことだが、これまで気にかけなかったことも気になってくる。何だか子供を育てているのか、子供に育てられているのか、よく判らなくなってきた。
私たち大人は、言葉も理解できるし文字も読める。けれども日々の生活の中で、知らず知らずの内に「これぐらいまあいいや」なんて気持ちが起こってくる。目の前に真似る手本となる仏さまがいらっしゃるのに、ついつい自分勝手な考えをしてしまう。子供の純真さを見習うのも、大切なことではないだろうか。
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