lotus column お命頂戴 by Taijun
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 子供の頃は家でニワトリを飼っており、毎日の餌の世話が楽しかった。餌をやると、ニワトリたちは我れ先にと集まって食べはじめ、勢い余ってたいていは餌を喉につまらせる。

 そんな彼らの行動を興味深く観察させてもらっただけでなく、卵もよく産んでくれたし、我が家にとっては大変有り難いペットだった。

 そのニワトリたちが、近頃ひどい目にあっている。鳥インフルエンザの影響で、数百万羽ものニワトリが人間の都合で処分されたのだ。酉年(とりどし)生まれの私としては、それだけに人(鳥)ごととは思えない。

 金子みすゞさんの『大漁』という詩にこうある。

「大漁だ 浜は祭りのようだけど 海のなかでは 何万の いわしのとむらい するだろう」

 ニワトリも、私たち人間が弔ってあげるべきではないだろうか。

 いつだったか、小泉総理が「子供にとって知育体育も大事であるが、これからは食事も大事だね」と言っておられた。もちろんその通りだが、私たちは他の生命を頂戴して生きているのだという心構え=感謝の気持ちは、是非とも教えていかねばならない。

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