lotus column ほどほどに by Shougyo
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 人は、お腹が一杯な時は好物にすら興味を示さず、ぐっすり寝たと後にも、すぐにまた眠りたいとは思わないものだ。

 こうした食欲・睡眠欲・性欲という根本的な欲望は、体の中で自然に満たされることを誰もが体験的に知っており、それが人間以外の動物に共通していることもよく知られている。

 厄介なのは、文明を手に入れたことから生まれてきた名誉欲・金銭欲等の欲望だ。これらには「お腹が一杯でもう食べられない」とか「もう目がさえて眠れない」といった充足感は無く、取り憑かれてしまったら無限に追い続けてしまう。

 ならばこれらの欲望がすべて「悪」かというと、そうも言い切れないところがある。今日私たちが享受している快適な生活の源を、名誉欲や金銭欲が作り上げていることも事実なのだ。

 仏教では、欲望は捨て去るものではなくコントロールすべき対象であることを、中道(ちゅうどう)という考え方で説明している。分かりやすく言えば「何事もほどほどに」ということ。

 昔から受け継がれてきた常套句(じょうとうく)だが、この言葉にこそ、現代社会の諸問題を解決する鍵が有るように思える。

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