lotus column コックリさんはどこに? by Johanni
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 ひと頃、本やテレビ・映画などで「陰陽師(おんみょうじ)」が注目されていた。平安時代に活躍したという阿倍晴明(あべのせいめい)が、絶世の美男子として漫画に登場してからというもの、一千年の時を経て再び陽の目を見たのである。

 物語の中の晴明は、鳥たちの声を聞いて時の帝(みかど)の病を癒したり、式神(しきがみ)をつかって鬼を退治したりと大活躍。しかし彼の出生は未だ謎に包まれており、伝説の白狐が「葛(くず)の葉」という名の美女に姿を変え、人間とちぎりを結んで晴明を生んだという。

 さて狐といえば、今から三十年ほど前だろうか、小学生の間で「コックリさん」という、一種の占いが流行した。正式には「狐狗狸」と書き表すから、みな小学生のぶんざいで動物霊を相手にしていたことになる。

 高知県のある村などでは、今も動物霊が日常生活に影響を与えると考えられているそうだ。ただし、何かに「憑(つ)かれる」という現象を、何かにこだわったりとらわれるによって主体性を失い、心身を病むまでにいたることと解釈すれば、都会にあっても決して無縁の話ではない。

 狭い世界観やかたよった価値観により奇行に走る人々の姿を、私たちはマスコミを通して、あるいは自分たちの住む町の中でも見ることが多くなった。神秘の世界に対する興味の深さと、仏教が本来説く教えに対する興味とは、困ったことにまったく比例しないようだ。

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