lotus column 仏さまが顔を出す by Shougyo
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「となり蔵たちゃ、わたしゃ腹が立つ」

 この言葉、結構人間の心理を言い当てているように思える。「いや〜、まったくその通り」と手を打つ正直な人もいれば、「私は決してそんなことを思う人間ではない」と、自分にすら嘘をついてしまう人もいるだろう(笑)。

 だが、実際に本心から「どうしてこんな言葉があるのだろう」と不思議に思う人や、「人の喜ぶ姿を見ると嬉しくなる」という人もいるはずだ。ともかく、財産というただ一側面の価値にとらわれ、妬(ねた)みの感情を抱く自身の心にこそ問題があることは間違いない。

 心理学の世界では、妬みは恨みよりも根が深く、やっかいなものとされているそうだ。さらに言うと、人間が自分の考えだと意識しているのは、本当に考えていることの二割程度だという。冒頭の言葉に思わず苦笑いしてしまうのは、普段は意識していない八割の心理領域を、ズバリ突いているからかも知れない。

 ただ、人には恨みや妬みの感情が心に渦巻く時があっても、他人の安楽や成長を我がことのように感じ、心から喜べることだってあるはずだ。そんな時、自身の心の中には仏さまが顔を出している。

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