lotus column 混迷の時代 by Seike
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 近年、少年による凶悪事件が多発している。あらゆる組織の秩序が緩(ゆる)み、社会規範を尊重する意識が低下しているようだ。

 一方、自殺者の急増にも目を覆(おお)いたくなる。平成十年以降にその数は跳ね上がり、交通事故死亡者の実に三倍、毎年一年間で三万人を越える人々が自らの命を絶っている。

 そして、昨年の自殺者数は約三万四千人。バブル経済期の約六十三パーセント増、人数にして約一万三千人の増加であり、五十代以上の人が全体の約六割を占める。これは過去最悪の数字だ。毎日九〇人以上の人が自ら命を絶っていることを思うと、暗澹(あんたん)とした気持ちになる。

 こうした数字を目にする時、政治・経済・教育・思想・文化等々、あらゆるものが混迷する時代を象徴しているように思える。要するに、社会全体が重い病にかかっているのだ。お釈迦さまが入滅して二千年を経ると、人々がお釈迦さまのお心を正しく理解できない「末法(まっぽう)の時代」が来ると仏典に説かれるが、哀しいかなまったくその通りである。

 法華経の第二十三章『薬王菩薩本事品』には、「この経は、そういう時の良薬である」(意訳)と説かれている。今こそ、全世界を救済する指針である「この経」を広めなければならない。

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