lotus column 死は果たして尊いか? by Chijo
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 亡くなった人のことを、悪く言う人は少ない。生前はその性格や行動にどれほど問題があっても、その人がもうこの世にいないとなると、その人に対して抱いていた様々な感情や評価も、次第にボンヤリとした思い出の中に埋没していく。

 特に自分の身内や知り合いが亡くなり、この世から消えてしまうという現実を目の当たりにした時、我が身へも確実に訪れるであろうその非常事態を想像し、私たちはうろたえる。そして、死という未知の領域を行く先人に対し、畏敬の念がわき起こるのではないだろうか。

 しかし、これだけは言える。故人がやってきたことの善し悪しは、死んだところで何ら変わりはしないはずだ。死はあくまで世の理(ことわり)に過ぎず、この世での行いを浄化する作用を生むわけではない。

 尊ぶべきは、生きている内に過去の迷いや過ちを転じ、微少なりとも人の手本となる「生きざま」を見せていくところにある。人生という限られた時間の使い道を、私たちは誤っていないか?いつも自身を確認する作業が必要に思える。

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