合掌とは「まごころ」のこと。

　仏に向かって合掌すれば信心となり、人に向かって合掌すれば敬いとなり、ものに向かって合掌すれば感謝となり、おたがいに合掌すれば幸福になる。家庭の幸せや世界の平和も、おたがいに合掌し合う精神から生まれるのものだ。

　特に、人間は食べること無くして生きては行けない。食は人の体をつくり、命をささえる。食を大自然からの貴重な恵みであると知る時、飽食によって健康を害する愚かさに気づく。

　また私たちが食事を口にするまでには、食材の育成をはじめ収穫・加工・包装・流通など、様々な労力のお陰をこうむっている。

　お膳に向かったなら、手を合わせて「頂きます」と感謝の祈りを捧げよう。そして、日々の糧（かて）によって育（はぐく）まれる自身の命を、今日も明日も有効に発揮できるよう思いを新たにしよう。かしこまって経文を拝読する以外に、毎日欠かせない食事からも、こうして信仰生活を始めることができる。