lotus column 予測不能の法則 by Gigaku
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「光陰矢のごとし」の通り、月日は早く過ぎていく。今月もお檀家へお参りすると「早いですな、彼岸が終わったらもうお盆がやって来ますがな」「お盆が過ぎたらじきに正月ですえ」といった挨拶が交わされる。毎年こんな会話をくり返しているのも、お互い達者な証拠だろう。

 思い起こせば今まで色んな人を見送ってきた。仏教は生老病死の「四苦」を説き、死は苦であると教えるが、亡くなられた方のお顔は大抵の場合穏やかなお顔をしている。しかし昔から「人は脂汗を流さなければ死ねない」と言われているから、やはりその瞬間だけはよほどの「苦」なのかもしれない。

 ただし四苦というのは、私たちの一方的な人生観を戒(いまし)められた教えであることを忘れてはなるまい。無常の理(ことわり)をわきまえず、生きる上で形有る物や名誉などに執着することが、それらを失う時の苦しみを生むということだ。苦しみを苦しみとしてその原因を見つめ、自身がこの世に生まれた意味と役割を悟るまでに昇華させてこそ、そこに本当の安心があるのではないか。

 日蓮聖人はこうおっしゃる。

「人の寿命は無常なり。出(いづ)る気(いき)は入(い)る気を待つ事なし。風の前の露、なお譬(たとえ)にあらず。かしこきも、はかなきも、老いたるも、若きも定め無き習いなり。されば先(ま)ず臨終の事を習うて後に他事を習うべし」

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