lotus column 馬鹿力 by Taijun
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 先日、日蓮宗の総本山・身延山久遠寺と七面山登山のため、団体でお参りに行って来た。七面山は信仰のお山で、標高は1982メートルある。

 その時、私の叔母(おば)も参加したのだが、昨年入院し胆石の手術したばかりで、年齢も七十一歳。今回の登山はとても無理だろうと思い、ふもとの旅館で待っていることになっていた。

 しかし列車が身延駅へ近づくにつれ、「年齢的にも最後だろうから」と、次第に仏さまをお慕いする想いが強くなり、人生最後の参拝登山を決心した。

 さっそく身延の町で、運動靴・リュックサック・雨用カッパなどを買い求める。本来は足腰の強い方だったが、なにせ手術によって九死に一生を得た体。少し登っては休みながら、何とか五十丁を登り切った!単なる登山ならあきらめていただろうが、お参りしたいという信念・信仰の力に、あらためて感心させられたものだ。

 ちなみに私の方はといえば、日頃の運動不足と体重の増加により、何とか下山したにせよ、帰ってきてからも二〜三日は筋肉痛で、老人のような歩き方になっていた。情けない話である。

 そういえば「火事場の馬鹿力」という言葉があった。心底バカになれるような「南無=自分の考えを入れず、すべてを投げ出して仏さまのお心を受け入れる」という姿勢が、仏さまの教示される目的地に真っ直ぐたどり着く力となるのだろう。

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