lotus column 天の声 by Zuiho
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 我が家の留守番犬「天」が死んだ。まだ八歳、といっても犬の年齢では老人らしいが、急性心不全か脳溢血(のういっけつ)らしく、突然の他界だった。

 獣医さんを通じて動物霊園から葬儀屋さんが来てくれた。花柄をあしらった段ボールの棺桶(かんおけ)、甲斐犬(かいけん)にぴったりサイズ。葬儀代は四万円、収骨に行くとプラス一万円、心付け五千円、しめて五万五千円の葬儀。

 家内が収骨に行き、「少しでも残すのは忍びない」と総骨を持ち帰った。幸せな犬で、今も弔問客が絶えず、写真が花や菓子に埋まっている。

 小さな犬なら庭の片隅に埋めるのだが、大型犬だけにそうもいかず、噂の散骨をするには骨を粉のように砕く勇気がいるし、納骨するには墓がいる。四十九日までに決心しなければならないのだが、はたしてどうしたものやら……。

「毎日お経を聞いていた犬だから、良い死に方をしたのですね。私もそんな死に方をしたい」

 そう言った人がいる。思えば犬によって喜びやなぐさめを与えられ、犬の死によって涙し、無常を教えられたのだ。私たちは、今も犬の「天」を通して仏さまの教えを受けているに違いない。

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