lotus column 時は解決してくれない by Chishin
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 今から60年近く前の日本の空には、B-29というアメリカの爆撃機が、白い飛行機雲の尾を引きながら五〜六機の編隊を組んで飛んでいた。そして、日本の戦闘機がそれらに向かっていく姿を見て、皆で拍手しながら声援を送っていた。

 しかし、昭和20年の2月頃から一般民家への空襲が始まり、もうそんな余裕はなくなった。爆弾や、低空飛行する戦闘機による機銃掃射(そうしゃ)があったからだ……。

 もはや「戦後」という言葉もあまり聞かなくなった。しかしあの不安で虚しい日々は忘れない。10年ほど前の米不足の折りも、とにかく食べ物がなかった当時のことを思い出していた。

 20世紀の戦争の歴史は、力による大国の経済侵略から始まった。自国の繁栄のために、未開の国や小国を武力によって踏みつけていった。人種で、宗教で、生活習慣の違いで相手を差別し、さらにその格差を大きくした時代だったといえる。

 もう二度と戦争は経験したくない。そして21世紀になったら、種々の国々や民族が、何事も話し合いによって平和的に解決する時代になればと願っていた。

 初めから敵や味方がいるわけではない。誤った思想・宗教によって二元論が生じ、敵意識や味方意識が生じる。そして闘いによって、敵と味方という区別がより明確になっていくだけなのだ。

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